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  キャプチャ2 ガソリン補助の「拡充」　出口を探らぬ政治の怠慢（２０２５年４月２９日『毎日新聞』－「社説」） キャプチャ 石破茂首相はガソリン補助の延長・拡充を表明した。「物価高対策」を強調するが、足元で価格は低下傾向にある。巨費を投じる異例の政策の弊害が膨らむばかりだ。給油するガソリンスタンドのスタッフ＝福岡市中央区で2025年1月、長岡健太郎撮影 　問題の多いバラマキ政策を続ける必要があるのか。選挙目当てと言われても仕方がない。 　石破茂首相がガソリン価格を引き下げる補助金制度を延長・拡充する方針を表明した。店頭価格を一定額以下に抑える今の仕組みを改め、1リットル当たり最大10円の定額補助に切り替えるという。 　原油安や円高の影響で、ガソリン価格は補助が必要のない水準まで下がっている。本来なら「出口」を探る好機のはずだ。継続する合理的な理由は見当たらない。 　補助はもともとコロナ禍に対応した暫定的な措置として、2022年1月に始まった。ウクライナ危機に伴う世界的な原油高などを受けて延長が繰り返され、今回が9回目だ。 　長期化の弊害は明らかである。 　補助に投じられた国費はすでに8兆円を超えている。富裕層や大企業なども一律で支援する大盤振る舞いを続けてきた結果だ。 　脱炭素の取り組みにも逆行している。 　国が人為的に価格を抑えているため、消費者の節約意識が働きにくい。専門家は「ガソリン車から電気自動車への転換を阻害している」と批判する。 　制度を運用する経済産業省幹部さえ「巨額の税金を投じるなら、脱炭素技術の開発支援に回した方がよほど国民のためになる」と指摘するほどだ。 　いつまでも続けられる政策ではないことは、政府も分かっているはずだ。昨年12月以降、補助金の支給額を段階的に縮小してきた経緯がある。 　にもかかわらず、一転して延長・拡充を決めたのは、政治的な思惑からではないか。 　国民民主党をはじめ野党の多くは、ガソリン税の上乗せ分に当たる「暫定税率」の廃止を訴えている。そうした中、政府・与党内では「補助を打ち切れば、車を生活の足として使う地方の有権者の反発を買い、夏の参院選が戦えなくなる」と懸念する声が高まった。 　だが、目先の選挙対策にとらわれ、必要性が薄れた施策を漫然と続けるようでは無責任だ。政府はガソリン補助の出口を早急に探らなければならない。野党にも脱炭素時代に見合ったエネルギー政策を競う姿勢が求められる。 【ガソリン補助】手放しでは歓迎できない（２０２５年４月２９日『高知新聞』－「社説」） 　物価高対策でガソリン価格が５月２２日から１リットル当たり１０円引き下げられる。トランプ米政権の関税政策も踏まえ、石破茂首相が表明した。 　これによって家計の負担が確かに軽くなり、その恩恵は車への依存度が高い生活を送る地方ほど及びやすい。ガソリン価格が全国最上位である本県はとりわけ、そのような側面が強いだろう。 　ただ、タイミングや必要性の点で説得力を欠く面があり、値下げ目的の補助は政策としても弊害がある。手放しでは歓迎できない。 　政府は現在、石油元売り各社に補助金を出し、レギュラーガソリン１リットル当たり１８５円程度になるように抑えている。この目安を廃止し、１０円下げに切り替える。 　ガソリン補助が始まったのは原油価格が高騰した２０２２年１月で、当初は３カ月間の限定措置だった。しかし８度にわたって延長され、この間、計８兆円超の巨費を投入。一度始めるとやめるのは難しく、「出口」探しが課題になってきた。 　こうした中、原油価格は下落基調に入り、４月１７～２３日のガソリン補助金は制度開始以来初めて支給が見送られた。円高傾向で輸入価格が下がる見通しもある。本来なら補助廃止を検討するタイミングだろう。 　そもそも、ガソリン価格の一律補助は富裕層や好業績企業にも行き届くばらまきの要素があり、財源も巨額を必要とする。市場の価格形成をゆがめ、脱炭素社会にも逆行する問題点もある。 　にもかかわらず、石破政権が制度を切り替えて補助を続ける背景には夏の参院選があると指摘される。 　物価高対策として首相は当初、３万～５万円の一律給付などの経済対策と補正予算案の編成を検討していた。しかし国民に不評だったため方針を転換。その後、既存基金で対応できる範囲内で、７～９月の電気・ガス料金の支援とともにガソリン補助の表明に至った。制度の終了時期は設定してない。 　こうした経緯を踏まえれば、場当たり的であることは否めず、支持率が低迷する中での選挙対策だと言われても仕方がない。支援策の継続は、輸送費がかさんでガソリン価格が高くならざるを得ない地域や、低所得者、中小企業向けなど対象を絞り込むべきではないか。 　一方で、ガソリンを巡っては自民、公明、国民民主の３党が昨年１２月、１リットル当たり２５円１０銭上乗せされている暫定税率の廃止に合意。野党は早期実現を求めている。 　廃止になれば家計負担の軽減効果は大きいだろう。ただ、念頭に置かなければならないのは、他の分野に及ぶ影響やしわ寄せもそれだけ大きいことだ。廃止時は約１兆５千億円の減収になり、地方では１９都道府県が１００億円超の減収となる。税収減の影響と穴埋めの議論が不十分なままで踏み切るのは危うい。 　目先の物価高に対応していくのは必要だが、一方で脱炭素への技術開発など構造改革に資金を投じていくことも忘れてはいけない。

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  物価高騰でランチ事情が激変！　「ランチ1,000円時代」の終焉に私たちはどう向き合えばいいのか？（２０２５年４月２９日『Yahooニュース』）

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